地元三芳町の明石農園さん(代表 明石誠一さん[写真1枚目右])を訪ねました。
“自然栽培”で野菜を育てる農家さんです。
農薬や化学肥料はもちろん、いわゆる“肥料”を使わずに野菜を育てます。
肥料を使わない、というとちょっと誤解も生まれるかなと個人的には思っていまして、「肥料って、何?」という話だと思います。
今現在私たちがイメージする「肥料」は、わかりやすく言えば、ホームセンターにも並んでいる「野菜の肥料」みたいな物ですよね。
でも、作物が必要とする養分は、何もそんな肥料からしか得られないわけではないようです。
山の草木がなぜずっと恵みをもたらしてくれるの?
それは、土の中の微生物の働き、微生物の多様性にあるのだそうです。
それを、野菜の栽培でやっているのが、明石農園さん。
自然を観察し、調べ、作物が“育つ”環境を試す。
出来るだけ、自然のしくみに近づけて。。
その試行錯誤が、いわゆる“肥料”を使わない、明石さんの自然栽培の取り組みなのだと思います。
畑には、いい色をした、健やかに育つ野菜たち。
“肥料”なしで、こんなに元気に育つのかと驚きました。
“肥料”なしへの驚きに焦点をあてると霞んでしまいますが、「無農薬」です!
もちろん全てがよく育っているわけではないようで、上手くいかなかった野菜もあるそうです。
でも、長年の取り組みでそれも克服しつつあるとのこと。
この取り組みにはもう一つ重要な要素がありまして、それは「自家採種」。
農園でタネを取り続けること。
長年の取り組み。
それは、20年近くにわたる取り組み。
明石さんは元々は非農家。
20年近く前に三芳町で新規就農されました。
一つ、また一つと畑を借りて、今では4ヘクタール(20カ所以上に分散しています!)もの農地で、150軒以上のご家庭や、その他販売店に野菜を提供されています。
野菜を育て、届けるだけでなく、農業体験の受け入れだったり、就農希望者への支援だったり、福祉との連携だったり、明石さんが育てて来た自然のフィールドで、様々な活動をされています。
明石さんの印象的だった一言。
「人と自然が豊かになる。」
様々な活動のベースには、明石さんのこの思いがあるのだと思います。
明石さんはこんな事も言っていました。
「ものごとは回っていく。昔は有機農業が当たり前だった。新たな技術として、農薬や化学肥料ができ、それが当たり前になった。そしてまた農薬などに頼らないやり方に向かう。
でもただ昔に戻るんじゃなく、ループするんじゃなくて、螺旋状に、新たなものを産み出しながら回っていく。そんな感じじゃないかな。」
「人と自然が豊かに。」
その価値観で、自然と向き合い、タネを育て、野菜を育て、人と関わり、共に創る、明石農園さん。
そんな事を感じた、訪問でした。