Yaohacciは、適正価格で食べ物を販売するよう、責任を持って取り組みます。食の流通に携わるようになって、ますます強くそう思います。

「適正価格」とは、何でしょうか?まずは、お客様にご納得いただける価格。次に、我々販売側も、事業をしっかり続けられる価格、ということも言えると思います。そして、生産者が、生産を安定して続けられる価格。おいしく、栄養のある食べ物を育てられる価格。食べ手、売り手、作り手、三者にとって「適正」でなければ、適正価格とは言えないと思っています。

一番は、しっかり生産できる価格であることがとても重要だと思います。「安さ」が価値の判断基準ということが主流だとすれば、私は、その社会は良い方向ではないように思います。安さを求めることで生産基盤が脅かされることがあるとすれば、それは結果として食べ手の食が脅かされること。安さは多くの場合、その一時の、販売側の利益のため、だけに終わるのではないでしょうか?

食べ物を、採算度外視で販売して客寄せに使うのはよくやられてきた手でしょう。そういう事で生産現場を疲弊させることがあれば、それは販売側の罪だと思います。例えば、もやし。「もやしは安いもの」という考えが定着していると思います。Yaohacciは昨年、もやしを値上げしました。生産側が、生産を続けるために値上げに踏み切ったからです。そのタイミングで私共も値上げしました。「適正」な価格を訴えたい思いもあったからです。もやし業者が、横行する廉売によって窮状にあるという記事も目にします。この十数年で、もやし生産者は40%も減少したという情報もあります。日本の農業全体も、同じような方向に向かってはいないでしょうか?

私共は、食べ物の価値が、値段の高い安いだけにならないように、責任を持って仕事をしたいと日々思っています。ちっぽけな店ですが、大げさに言えば、挑戦。有機とか、無農薬とか、そういった事は二の次で、まずは、しっかりとした知識と情報を持ってお客様に接し、食べ物の価値をわかって頂き、「適正」なお代を頂くこと。それがしっかり生産現場に還元される事。そしてできれば、環境に大きな負荷をかけない、食べ手にとってもより安全な生産方法がとられていくようになる事。そのために仕事をしていきたいと思っています。