2021年6月9日訪問
三芳町の高橋農園さんを訪ねました。
今年も人気のズッキーニ、ルッコラ。畑で色よく、元気に育っていました。ズッキーニが実をつけるための受粉は虫たちに任せているのかと思いきや、なんと奥様のまゆさんが、朝、手作業で行っているとのこと(虫の活動が鈍い時期)。まゆさん、ありがとうございます!
畑のどこに作付けるかとか、健康に育てるために風通しを考えて場所、間隔を考えるとか、さまざまな工夫、技術を垣間見ることができました。その技術あっての、皆さんに支持される野菜なんですね。秋からは、主力のさつま芋が入荷します。苗の植え付け作業が進められていました。
ご存知の方も多いと思いますが、高橋農園さんが位置するのは“三富新田”といわれる開拓地。300年以上前に当時の川越藩主、柳沢吉保が開発を始めたところ。
整然と、短冊状に、屋敷、畑、雑木林(やま)が配置され、雑木林の落ち葉を堆肥化して畑に投入するなどのいわゆる“循環型”の農業が続けられてきたところです。高橋農園さんはその初めから営々と、土地を守り、生産を続けてきた農家さんです。この、三富新田の特徴である“循環”が続けられれば本当に素晴らしいのですが、現状は色々問題や課題があるようです。
部外者から見ればなんとも羨ましい環境と思うのですが、耕作放棄される畑もチラホラ。戦後の農地改革や相続の問題などいろんな要因が相まって、雑木林が売却されて開発されたり畑が切り売りされたり、“循環”が分断されるところが少なくないようです。
高橋さんは反対に、耕作されなくなった圃場を買い上げたりして規模を再拡大中。そこには、最初の開拓、入植から今に至るまでの歴史を受け継ぐ者としての誇りや責任感を感じます。 簡単に“守る”“続ける”といっても、経営が成り立たなければできない話です。高橋さんは、「稼ぐ農業」をしてしっかり三富新田を受け継ぎ、守り、発展させていくという覚悟のようなものを感じました。高橋農園だけでなく、地域の発展を考える、当代、高橋敦士さん。今考えている企み、あんな事、こんな事。いくつかお聞きしましたが、楽しく、更なる発展を期待いたします!